「僕ですか?」



「みたい」



次の指令は朱笆さんらしく、朱笆さんは少しだけ目を丸くしていた。



「やはり、同じ感じですか?」



そう問い、封筒を手にしている碧斗くんに近付く。



「うん。゛色゛と゛周りの人゛だって」



「周りの人・・・・?」



朱笆さんの色ってなんだろう。


見た感じ、明るい色でも暗い色でもない。


どちらかというと、透明で繊細な色の感じがする。



(白や水色ぽい。髪とか空色だし)





「色は何色何ですか?水色とかそういう透明な感じですか?」



「色・・・・そうですね。見たくれはそうかもしれませんが、残念ですが違いますね」



私の尋ねに朱笆さんは疑う事もなく、はっきりと否定する。


「色は・・・・おそらく、赤でしょうね」



「赤?」



(赤?朱笆さんは赤?)



イメージから、少々似つかわない気がするのだけど。




「赤ていうイメージないよな、朱笆って」


恣枦華くんも私が思っていた同じような感想を述べる。



「確かにそうかもしれませんね」



「それって、名前からの赤って事ですか?」




疑問を口にしている中、紫衣羅くんが的確な事を彼に向ける。


「ああ、そうです」



(名前?)


朱笆さんの名前に゛赤゛など入っていただろうか。



「・・・・あ」



(入ってた)



確か朱笆さんの名前って、゛朱゛という漢字がある。



そうか、そこからの゛赤゛という事なんだ。




「わかってくれました?」



私が朱笆さんのイメージの色を理解した事に気付いたのか、首を傾けながらやんわりと聞いてくる。


「あ、はい。
それじゃあまわりの人っていうのはなんですか?」


「ああ、それは・・・・」


もしかして、この反応は既に気付いている感じだろう。