「思いって何だったの?」



紫衣羅くんは気になったのか、碧斗くんに問う。



「うーーん、俺の感情かな」



碧斗くんは空を仰ぎ見ながら、そう何気なく言う。




「それって大切なもの?」



「そうだね、そうとも言えるかな・・・・」



(碧斗くん?)



その時の碧斗くんの表情はどこか寂しそうな、そんな表情を向けていた。





「さっ次行こっ」



気を取り直すように私の手を取り引く。



「う、うん」


(碧斗くん?)



まるでそれは、何かを隠しているかのような素振りな気がした。


(・・・・・・)



「あ、次のあったよ。これで8つ目だね」



「うん」



紫衣羅くんに注意されるからなのかすぐに手は離される。



「・・・・・・・・」


(気のせいだったのかな?)




碧斗くんは明るくて少しお調子者だけど、彼もまた心に何かを秘めている。



だけど、彼の場合は基本明るいので見抜きにくいのである。















「思いってあの子の事だったんだ・・・・・・・・」