「色?性格・・・・」


紫衣羅くんは顎に手を当て口に出しながら考える。


「もしかして、紫衣羅の色とかそういうの?」



碧斗くんはアドバイス的な言い方で紫衣羅くんに尋ねる。


「多分、そうだと思う」



「色か・・・・紫衣羅って、明るい感じだったり異なったりするからね」


碧斗くんは何気なく紫衣羅くんに向けて言う。



(異なる色?そうなのかな?)



紫衣羅くんは明るい色、一色な気がするけど。


碧斗くんには紫衣羅くんがそういう風に感じられるのか。




するとふいに紫衣羅くんは、考え込んだ言葉をぼそっと発した。


「・・・・『紫』」


「紫?」


(紫が紫衣羅くんの色?)



でも、もっと明るい色な気がするのだけど。




「俺の名前に『紫』入ってるから紫なんじゃないかと思って」


それで、紫と言ったんだ。


でも、私には紫衣羅くんは紫の色ではないとなんとなく思っていた。


「なるほど、紫衣羅って紫の色なんだ?」



「知らない」


「えっじゃあ性格は?」



「うーん、自分でもよくわからんし」



自分の事なのに他人事のようにぼやいた後、紫衣羅くん何か思いついた表情を見せる。



「何かの謎かけになっているんでしょうか?
でも、人の事だからちょっとちがう気がもしますが」



朱笆さんは題が書かれた紙を見ながら言う。



「確かに暗号ぽいよね」



朱笆さんの言葉に碧斗くんは賛同するかのように頷く。



「いや、暗号なんかじゃないよ」



そんな二人の会話に紫衣羅くんは、決して強めではないがはっきりとした表情で向ける。



「キーワードとか書かれているから、一瞬そういう錯覚が生まれるかもしれないけど、実際はそういうややこしいものじゃない」


紫衣羅くんは分かりやすい言い方で淡々と説明する。



「謎かけや暗号ではないとしたら、一体何なんだ?」



恣枦華くんは紫衣羅くんに答えを求めるように尋ねる。



その問い、紫衣羅くんはフッと柔らかい笑い漏らし。



「簡単だよ。答えは心だよ」



そう言って、ぐっと親指を立て自分の胸辺りを指す。



(心?)