「゛逃げろ゛だそうです」



朱笆さんは封筒の中に入ってる紙を見ながら文字を唱える。


「はっ?」



恣枦華さんはどういう事?という表情で朱笆さんを見る。


「何か嫌な予感がするんだけど・・・・」



紫衣羅さんはぼそっとなんとなく口にする。



と、その時━━紫衣羅さんの言葉通りの展開になる。



「わああ!こっ今度は猛獣!?」



また碧斗くんの叫び声に振り向くと、遠くの方から猛獣が怒り狂った表情で私達を睨みつけていた。



「はいいっ!!?」



そして、猛獣は突然、突進するかのように襲い掛かってきた。



「えっ!?」



「ちょっ!?」



「うわあ!」



猛獣の全速力の突進に一斉に逃げるように走り始める。



「えっ!えっ!?」



全員と合わせるのが遅れ思わずあたふたしながら走りだす。



そんな私を見て紫衣羅くんが私の方まで戻ってきて手を差し出す。



「沙紅芦!」



「!?」



「はあはあはあ」


追ってくる猛獣に次のステージがある看板まで全速力まで逃げると、先ほどの問題と同じようにステージまで到達したところで猛獣はこつ然消えた。



「大丈夫?」



「う、うん・・・・」



走りだすのに遅れた私に紫衣羅くんは、手を差しそのまま引っ張るように手を繋いだ状況で一緒に次のステージまで走ったのだった。



「というか、紫衣羅!何ちゃっかり沙紅芦ちゃんと手繋いでたんだよ!」


紫衣羅くんと引いてもらっていたのが、よっぽど気に入らないのか碧斗くんは攻め立てるかのように紫衣羅くんに口論する。


「仕方ないだろ。お前1番最初に逃げたんだし」



「うっ・・・くそっ」


よっぽど私と繋ぎたかったのか悔しそうな顔で舌打ちをする。



なんで碧斗くんっていつも下心丸見えなんだろう・・・・。