「もしあるなら、持ってきたらいいわ」



「・・・・はい」



お姉さんの言葉に私は戸惑いながら返事をした。






大事なものか・・・・・・・・。




本当にそんな事ができるのだろうか。




未だ疑心暗鬼な私・・・・・・・・。





「あの、ここって開けれないんですか?」



倉庫の前に近付きお姉さんに尋ねる。



「ええ、ここは柵の門扉の鍵だけ。
倉庫は神様が気が向いた時に開けてるのよ」



「そうなんですか・・・・」



これもあの子が言っていた通りだ。



「この階段に置いておけばいいのよ」



そう言って、お姉さんは倉庫の階段に指を指す。



「・・・・・・・・」




正直、本当にそんな事があるのだろうか。




「あの、神様って誰なんですか?」




それが一番疑問な言葉だ。





「ふっ」




すると、お姉さんは意味深な笑みを浮かべられる。




「ウサギの神様よ」




「・・・・・・・・えっ・・・・・・・・ウサギ?」










ウサギの神様・・・・。




思いの願い・・・・。




大事なもの・・・・。




そういうものは多分ないと思うけど、でもお姉さんは言っていた。




あの倉庫にいる神様には、自分の思っている願いも叶えてくれるらしく、手放せない大事なものだけではなく、今ある大事なものでもいいらしい。




「願いか・・・・」



私はポツリとつぶやいた。




すると私は棚の方へ赴き、棚の中にある宝箱を手にし、中から写真フレームを取り出した。




「・・・・」



写真フレームに入っている写真を見て思う。




会えるなら会いたい。



そしたら、何かが変わるのだろうか。





そして、鞄の中からもある紙を取り出す。



今日描いた、うさぎのイラスト。




「カラクリうさぎか・・・・」



何を思って゛カラクリ゛と付けたのかよく分からないが、多分直感的なものなのだろう。