「知りたいのなら、クリアしてください。そしたら、ちゃんとお教えします」



カラクリうさぎはおどけた言い方だけど明確にはっきりと告げる。




ここは、この子の言葉に飲み込んだ方が良さそうだ。



反論したところで物語は進まないのだから。



私はカラクリうさぎが求めている試験に理解し頷きを見せた。






「それで、クリアってどこがゴールなんです?」



朱笆さんはカラクリうさぎに何気なく尋ねると、彼女は淡々的に答える。




「あのお城見えますよね?あれがゴールです」



そう言ってカラクリうさぎが指を指した方向を見やると、森の奥方向に飛び抜けて見える三角の細い建物が見える。



(あれが、ゴール・・・・)




ゴールであるお城をじっと見つめていると、カラクリうさぎはまた怖い発言を私達にする。



「ああ、一つ言っておきますけど、制限時間までにクリア出来なかった場合は、あるものが失いますよ〜」



その言い方は相変わらずどこかおどけていて不安を煽るような言い方である。


「制限時間なの?」



「もちろんです。時間はあの太陽です」



(太陽?)


太陽がある空を見上げると、どういう訳か太陽が真っ白に光っている。



「今、太陽は白ですよね?あれが黒くなっていくので、全部が黒くなったら終了となります」



「・・・・・・・・」



「はい、これ。第1ステージの問題です。
ではでは頑張ってくださいね〜クリア出来るよう祈ってまーす♪」


カラクリウサギは私にグレーの封筒を渡し、どこか曖昧な応援の言葉を掛けて消えていった。



「・・・・・・・・」



「適当だ・・・・」



恣枦華くんも文句言ったって意味がない事分かってきたのか、愚痴だけになってきている。



「時間ないし、行くか」



「そうだね」



試験はもう既に始まっているようだ。



今回もまた何か変な事が起きる予感しかない。