ワンピースのポケットの中からコンパクトミラーを見つけ、カラクリうさぎを呼び出す。



「みなさん、こんばんは〜♪あ、違いますかね、お休み中〜？まあ、いいでしょう」



カラクリうさぎは相変わらず陽気な声で現れる。



「ここは、夢？」




紫衣羅くんは問いかけるように尋ねる。



「はい♪夢の中ですよ！現実味のある夢の中です！」



紫衣羅くんの問いにカラクリうさぎは嬉しそうに大きく頷く。



「まあ、ちょっとしたステージが必要なので、夢の中に入れ込まれただけなので」


（ステージ？入れ込んだ？）



「これは、あなたがやったの？」



この状況がよく分からないので、カラクリうさぎに尋ねてみる。



「ええ、そうですよ」



（そうなんだ････）



おそらく、詳しく教えてって言っても曖昧に流されるか拒否されるかどっちかなんだろう。



聞いたところで意味は教えてくれないので聞いたって一緒なんだろう。



カラクリうさぎは教師みたいに生徒に説明するかのように淡々と説明しはじめる。



「それでは時間もあまりないので説明に移りましょう。
とりあえず、今からあなた方は私の用意した試験に挑んでもらいます」



「試験？」



「簡単な試験です。私が用意した10のステージをクリアしてもらえばいいんですよ」


（簡単？）



本当に簡単なものだろうか。



どことなく怪しいものを感じた。



「私からすれば簡単です。でも簡単にクリアできるとは思わない方がいいですかね〜」



（やっぱりそういう風になるんだ）



毎回嫌味みたいな斜め上的な言葉を向けられるから、まともな回答などこの子の口から出ないと理解しているので、さすがにもうあきらめている。



「その試験は、どういう意味合いがあるの？」



碧斗くんは気になる疑問をカラクリうさぎにぶつけるが。


「お答え出来ません」


口癖かのようにいつもの言葉をはっきり言われる。



（まただ････）