(わあ、かわいい♪ふわふわ♪)




近くに寄ってきたうさぎを撫でてみると、ふわふわしていてすごく気持ちいい。



今まで間近に触った事はなかったけど、ふわふわしていて本当に可愛い。






それから、頼んだメニューを食べて代金を払った後、店員さんにあの噂の事を尋ねてみた。





「えっ神社?」



「はい・・・・」



「ああ、もしかして」




店員さんのお姉さんに尋ねると、きょとんとする表情もなくむしろ尋ね慣れた様子で頷いた。




「あなたも噂を聞いて来たのかしら?」




「はい。本当にいるんですか?」



不安なさ気に聞くと、お姉さんはにこっと微笑み答える。




「いるのよ」



「・・・・!」



「ついておいで」




そう言って、お姉さんに促され連れてきてくれたのは・・・・・・・・。




お店の裏口から出て少し歩いた場所だった。




建物の裏には樹木に囲まれていて、外はほとんど見えない状態で、まるで誰かに見つからないように隠している感じだった。



樹木に囲まれた中には更に厳重に柵まだ張られている。




「倉庫・・・・」



柵の中には大きめの倉庫が見えた。



「昔はね神社があったけど、小さな神社だけどね、諸事情でなくなっちゃったのよ。で、今は小さい祠とこの倉庫だけ」



「お店は意味があるんですか?」



「もちろん」



私の質問に頷くと、お姉さんは洋服のポケットから柵の鍵を取り出して、鍵を開ける。





お姉さんは静かにある言葉を発した。



「ここの倉庫には神様がいるの」



「・・・」



やはりあの子が言っていた通り神様がいるんだ。



「不思議な神様よ」





「祠のですか・・・・?」



祠があるのなら神様が居てもおかしくない。


でも、あの子が言っていたのは倉庫にいる神様だと言っていた。




「あれもそうなんだけどね。この倉庫の神様は思いを叶えてくれるの」



「思い?」




(あの子達が言っていた、大事な物を代わりに保存してくれるという・・・・?)




するとお姉さんは、私の方を振り向き尋ねてくる。




「あなたも何か手放せないものを保存しに来たのかしら?」



「えっ・・・・あ、いや」



その時のお姉さんの表情は、優しさと真剣さを向けた表情をしていた。




その質問に私は少し戸惑いを持った。