自信を持つ事は互いに認め合えるようになった時が大きく関わるのではないかと思う。認められたいという感情は時に歪んでしまうことがある。羨望する気持ちは歪や醜い感情を生む。物語の登場人物はともすれば、皆正直だ。その正直さが自身の欲望に忠実になりすぎた結果、悲劇を生んだ。候爵は傀儡を手に入れて果たして幸せだったのだろうか。例えそれを手にしても欲望は無くならず、独りよがりなままでは幸せを手にすることはできなかったはず。
綺麗事だけで済まされないのは世の常で、だけど綺麗事を言えなくなればこの世界に希望はなくなる。そんなことを強く感じます。
それをこのお話から感じた時、書籍化された1作目はそれだけで面白く感じましたが、確かに序章のようなもので、三部作だからこそ伝わるものがあるのだと思いました。
真夢さんが描きたかった世界が、真夢さんでしか描き得なかった世界が確かにここにありました。