無様な姿に、少しは由姫の仇が打てたかと思った。

こんなもんじゃ、全然足りねーけど……。

俺はほとんど怪我もなく、どっちが勝者かはこいつが一番わかっているはずだ。

顔を腫らし、至る箇所が血で濡れている天王寺。

それにしても……ナイフあたりの切れ物でも持ってるかと思ったが、どうやら卑怯な手を使う気はないらしい。

落ちるところまで落ちてはいなかったようだ。まあ、由姫が関わっているからだろうが。

殴られた時に口の中が切れ、口内に鉄の味が広がる。

気持ちわり……。

血を吐き出し、手で口元を擦った。

惨めったらしく倒れこんでいる天王寺に、吐き捨てるように言う。



「自分で吐いた言葉には責任持てよ。由姫のことは諦めろ。ついでに、No.1もな」