「……ッ!?」



避けようとした天王寺の逆を突いて、8割くらいの力で顎を殴った。

すぐにへばられたら困る。

由姫がお前に傷つけられた分の痛み、きっちり返してやるよ……。

急所に入ったのか、天王寺が倒れ込んで、痛みに耐えるように顔を押さえている。

まだまだ、こんなもんじゃねーだろ。

こいつに裏切られてないていた由姫を思い出す。



「人生で一回でも由姫の恋人になれたこと、感謝してこれからの人生生きろ」



俺は天王寺の体に、更に蹴りを入れた。



「……ッ!」



天王寺はまた身悶えながらも、ゆっくりと立ち上がった。

流石にまだ戦意喪失してはいないのか、仇を見るような目で俺を睨みつけている。



「お前なんかに、由姫は渡さねぇ……!!」



*次回の更新は7月8日(水)13:00〜*