「先輩、私が必ず先輩を甲子園連れていきます!先生に話してくれたんですよね?先生が今日、春馬先輩に全部聞いたって…私を指名してくれたって言ってて私、スゴく嬉しかったんです!」

私はしばらく考えてからそう言った。

「ありがとな。俺な、野球これで最後にしようと思ってるんだ。それはケガしてもう投げられないからじゃない。俺、栄養学とか、色々学んでさ、パーソナルトレーナーになりたいんだ。アスリートの心や体を支えられる人…だからさ、樹は何の心配もせずアスリートとして生きればいいんだよ?俺が全力で支えるから」先輩はそう言ってくれた。

「…いいの?ホントにそれで…」と私が言うと、

「…ああ、だから俺の分も思い切り戦って甲子園行ってくれよ?俺を甲子園連れていってくれよ?」と春馬先輩は笑うのだった。

「はい!」と私は元気に返事した。

そんな私の頭をポンポンしながら、春馬先輩は優しく「頼むぞ!」と春馬先輩は笑ってくれた。

その後は、部活であった話などをして…

乃木くんのことも話して…

「そっか。俺もお前の代わりに出来ることはするから、もちろん、乃木のサポートもな」と先輩は言ってくれた。

先輩の夢を聞けただけで嬉しい私は先輩の夢を応援しようってまた、心に誓った。

「あのね、明日お兄ちゃんが皆に納得して私を起用してくれるようにって挨拶に来てくれるの!それと…週2くらい指導できてくれるって!」と私が言うと、

「お兄さん、ホントに樹のこと、好きよね。ありがたいな。俺もちゃんとご挨拶しとかないとな」と春馬先輩は言った。

その後、二人で他愛ない話をして、春馬先輩に家まで送ってもらってお家に帰った。

「ただいまー」とお家に入ると、

キラキラした目を向けて、「お帰り!どうだったの?」とお兄ちゃんとお母さんが聞いてきた。

「私、甲子園絶対に行く!」と私が言うと、お兄ちゃんは理解したのか、良かったと笑ってくれた。

「それだけ?」とお母さんは言う。

「それ以外に何を期待するの?」と私が言うと、

「母さん!今はベストな答えだろう」とお兄ちゃんが言ってくれて、そうねとお母さんは納得してくれた。

「もうすぐお父さん、帰ってくるわよ。その前にお風呂入っちゃいなさい」とお母さんに言われて、はーいと返事した私はお風呂場に向かった。

ゆっくり湯船に浸かりながら、これからのことを考えた。

そして、お風呂から上がった私は髪を乾かして眠りについた。