LINEして、少ししてお兄ちゃんはすぐに迎えに来てくれた。

並んで歩きながら、私は今日のことをお兄ちゃんに話してみた。

「…アイツ…無理してなのか。そこまでならかなり厳しいかもな!おしっ!わかった明日、俺が皆に話してやる!お前はキッチリ春馬支えてやれな」とお兄ちゃんは言ってくれた。

私はありがとうと大きく頷いた。

その日、私は先輩のことが気になりすぎて、練習には集中出来そうに無かったので、早めに切り上げてお家に帰った。

『春馬先輩、お疲れ様です。その…具合どうですか?』と私はLINEを送った。

本当は怖くてたまらない。こんな時に送るなんて…

正直バカかも知れない。

それでも、今だけはバカでいたい。

大好きな先輩のことが気になって仕方なかったから。

そしたら『今から少し会えない?会って話そう』とLINEが来た。

私は慌てて、部屋を飛び出し、スマホを握りしめて、階段を勢いよく、降りた。

「まあ、何事?」なんて呑気なことを言ってるお母さんに、

「少し出掛けてくる!」と言うと、

「こんな時間に?」とお母さん、

「母さん!きっと会うんだろうから、会いたい人と…行かせてやって」とお兄ちゃんが気を聞かせてくれたおかげで、私はなんとか家を飛び出した。

家ではお兄ちゃんが理由を説明し、お母さんを説得してくれていた。

私は家を出てから、春馬先輩に電話をした。

『勢いで飛び出して来ちゃった』って。

そしたら近くの公園を指定されたので、そこで会うことになった。

先輩が来るまでの間、私の鼓動はうるさいくらいにドクドク言っていた。


しばらくして、先輩が現れた。

私は慌てて立ち上がる。

「いいよー、座ってて」ってこんな時でも春馬先輩は優しい。

私と春馬先輩は並んで座った。

「…甲子園…絶対俺が連れていってやるって言ったのに…無理そうなんだ。ごめん」

先輩が発した一言めはこんな言葉だった。

「…やっぱり…酷いんですか?」と私が聞くと、

「痛みも強くてな。腕は思ったように上がらない…無理しすぎたかな?」と笑う先輩の何処か切なそうな表情に

私は何て言っていいのかわからず、必死に言葉探した。

けど…いい言葉は見つからない。