「お前は分かってねぇんだよ!」と主将がキレてビクッとなっている1年の部員。

私はその様子を心苦しく見た。

そこに「お前ら!何やってんだ!」と先生が現れた。

「…先生…アイツ、どうなるんッスか?」と主将が聞く。

「…まあ、今高木先生(保険医)に病院連れていって貰ったから何とも…まあ、だいぶ無理してたみたいだな。アイツ…」と先生が言い、皆が落ち込む。

「間に合わなかったら、棄権せざるおえないから、皆苦しんでるんだろうけど…諦めるなよ?期待は捨てるな!絶対!なっ?藤堂?」と先生は言って私を見てきた。

ん?どーゆうこと…?と思って首をかしげていると、

「…アイツが…もし自分が出られなかったら助っ人として、藤堂を起用してくれと指名してきた。もちろん、無理にはとは言わん。ゆっくり考えてくれて良いが、あんまり考える時間は長くない。早めに決断してくれよ?」と先生は言った。

えっ?春馬先輩が私を指名した…?

ホントに??そうだったらめっちゃ嬉しい!

私は「わかりました。少し考えます」と言った。

そして、練習は終わりになり、皆帰っていった。

残されたのは私1人。

今日は春馬先輩もいないし、送ってもらえない…

ちょっと寂しいな…なんてね。

お兄ちゃん呼ぼっかなー。夜1人はやっぱり怖いし。

そう思ってLINEしようとしたとき、

先生が「お疲れ様」と現れた。

先生は保健室で春馬先輩と話をしたらしく、

「詳しく聞いたよ?君がいいならウチは問題ない。俺もな、女子は受け持ったこと無いけどな、女子も甲子園出れるようになって数年経つのに、なぜいないと思う?」と先生は聞いた。

「…なんでですか?」と私が聞くと、

「上(教育委員会)が出してる条件にそぐう女子がいなかったからだ。けどな、お前なら、条件はクリアしてるし、問題ない。皆が納得しないなら方法考える!だから頼む!」と先生は言った。

「わかりました…全力で頑張ります。今日、主将が、アイツのせいで棄権せざるおえないって怒ったんです。私それには納得いかなくて…けど、1年の乃木くん、キレてくれたので少し楽になりました。

なので、先生…乃木くんにもし何かあったら全力でサポートお願いします」と私が頭を下げると、わかったと約束してくれた。

そして、私は帰ることにした。

この事も話したかったのでお兄ちゃんに迎えに来てもらうことにした。