綾side
小さい頃、お兄ちゃんの野球を観戦しに行った。野球のことなんて知らないし、暑かったからジュースを飲んでた。試合が終わったのかお兄ちゃんが近くにきた。

「綾(あや)〜!!兄ちゃん頑張ったぞ!」
お兄ちゃんがとても笑顔でかっこよかった。
「お疲れ様!お兄ちゃん!」

お兄ちゃんが私のことをヒョイっと抱っこする。

「あれ?もしかして妹か?」

突然知らない人の声がした。

次から次へとお兄ちゃんと同じくらいの人が
近寄ってくる

「可愛い妹だろ〜」
お兄ちゃんがそう言って私を地面にゆっくり下ろした。

すごく大きい....私はお兄ちゃんから降ろされたことで不安になる。知らない人。怖い....
泣きそうになっていると、

「大丈夫だよ。僕がここから連れ出してあげる」
同じくらいの歳の男の子が僕の手を引っ張ってお母さんのところに連れて行ってくれた。
それが琥珀(こはく)との出会いだった。