ベルネはうるさそうにしているが、ロシュの空気は場を和ませてくれる大切な存在だ。カルミアとベルネだけでは喧嘩しているようにしか見えないだろう。
「まずは作業分担の確認からですね。ベルネさんは調理担当。ロシュは会計担当。私は調理と料理の提供を兼任します」
「僕、会計専門なんですか?」
これまで注文を取って料理を運び、会計をまでを担当していたロシュはさっそく疑問を抱く。
「三人で多くのお客様に対応するのなら、学食のシステム自体を変える必要があるわ。そう、支払いはすべて先払いとします!」
「今までは後払いでしたよね」
「先に会計をしてしまえば、その時点で注文がわかるでしょう? メニューは前に張り出して、事前に注文を決めてから入店してもらう。注文を受けたら――はい、ロシュにはこれを渡しておくわ」
カルミアが手渡したのは耳に装着する魔法具だ。
「片方は私がつけておくから、注文が入った段階ですぐに連絡を入れてね」
「なるほど! そうすれば料理の提供も早くなりますね!」
その通りだとカルミアは頷く。
「注文を受けたら私とベルネさんが盛り付けて、ここからも変更なんだけど、お客様の席までじゃなくて、フロアに設けた提供台まで料理を運ぶことにするわ」
「えっと、つまり料理が出来たら自分で取に行くってことですか? でもそれだと、いつ料理が出来たのか、誰が何を頼んだかわからなくなりませんか?」
そこで登場するのがカルミアの秘密兵器、もといリデロが大至急運ばされたものである。袋から顔を出したのは小さな共鳴を放つ石たちだ。
「そこでこの石の出番よ。会計時にお客様に片割れを渡し、もう半分を料理のプレートに載せておく。厨房からフロアに近づけば反応するってわけね。ロシュには会計が終わったお客様に番号を振ったプレートと、この石をセットで渡してほしいの」
「なるほど! でもこんなにたくさん、どうしたんですか?」
「これは加工の段階でどうしても余ってしまう部分で、不要な業者から譲ってもらったのよ。この大きさだと通信出来る範囲も狭いし、使い勝手が難しいみたいでね。快く譲ってもらえたわ」
経緯は本当だが、そのつてはカルミアの人脈によるものである。しかしそこまで説明する必要もないだろう。ここからはいよいよメニューの説明に入る。
「まずは作業分担の確認からですね。ベルネさんは調理担当。ロシュは会計担当。私は調理と料理の提供を兼任します」
「僕、会計専門なんですか?」
これまで注文を取って料理を運び、会計をまでを担当していたロシュはさっそく疑問を抱く。
「三人で多くのお客様に対応するのなら、学食のシステム自体を変える必要があるわ。そう、支払いはすべて先払いとします!」
「今までは後払いでしたよね」
「先に会計をしてしまえば、その時点で注文がわかるでしょう? メニューは前に張り出して、事前に注文を決めてから入店してもらう。注文を受けたら――はい、ロシュにはこれを渡しておくわ」
カルミアが手渡したのは耳に装着する魔法具だ。
「片方は私がつけておくから、注文が入った段階ですぐに連絡を入れてね」
「なるほど! そうすれば料理の提供も早くなりますね!」
その通りだとカルミアは頷く。
「注文を受けたら私とベルネさんが盛り付けて、ここからも変更なんだけど、お客様の席までじゃなくて、フロアに設けた提供台まで料理を運ぶことにするわ」
「えっと、つまり料理が出来たら自分で取に行くってことですか? でもそれだと、いつ料理が出来たのか、誰が何を頼んだかわからなくなりませんか?」
そこで登場するのがカルミアの秘密兵器、もといリデロが大至急運ばされたものである。袋から顔を出したのは小さな共鳴を放つ石たちだ。
「そこでこの石の出番よ。会計時にお客様に片割れを渡し、もう半分を料理のプレートに載せておく。厨房からフロアに近づけば反応するってわけね。ロシュには会計が終わったお客様に番号を振ったプレートと、この石をセットで渡してほしいの」
「なるほど! でもこんなにたくさん、どうしたんですか?」
「これは加工の段階でどうしても余ってしまう部分で、不要な業者から譲ってもらったのよ。この大きさだと通信出来る範囲も狭いし、使い勝手が難しいみたいでね。快く譲ってもらえたわ」
経緯は本当だが、そのつてはカルミアの人脈によるものである。しかしそこまで説明する必要もないだろう。ここからはいよいよメニューの説明に入る。