(私は何か、重大な間違いを……?)
確かにリシャールは一度も『生徒として』とは言っていない。けれど、だからといって、どうして学食(ここ)を選んだ?
(なんで!? こういうのって普通生徒じゃないの!? 『十七歳』『密偵』『学園』とくれば普通生徒でしょう!?)
カルミアは参考までに前世で嗜んだあらゆるマンガ、アニメ、小説知識をひっくり返していた。
確かにこの制服らしきものも着心地は良く、見た目も気に入っている。
アレクシーネ王立魔法学園の制服を称えるのなら、それは高貴な美しさ。そしてカルミアの来ている服について感想を答えるのなら、純粋な可愛らしさだろう。
(けれどいくら頑張っても米がパスタになれないように、メイド服は制服にはなれないわ!)
どうでもいいことを考えてしまうのは現実から逃げたいからだ。
けれど動揺するカルミアを放って、ロシュは自己紹介を始めた。
「こんにちは! 僕はロシュって言います。わからないことがあったら何でも聞いて下さいね」
(すでに聞きたいことがいっぱいよ……)
どうして私は学食にいるの?
ここで働くって何?
どうして攻略対象の一人である貴方が学食で働いているの?
「あの、どうして貴方がここに?」
「どうしてって、ここで働いてるから? 僕、学園のいろんなところで働かせてもらっているんです。お昼の時間は学食担当なんですよ。たくさんお金を稼いで来年こそはこの学校に入ることが夢なんです! 将来は立派な魔法使いを目指してるんで」
(そ、そうだった………不意打ちで登場されたから失念していたけど、ロシュはそういう設定だったわね)
アレクシーネの学費は決して高くはないのだが、ロシュは両親に迷惑をかけまいと自ら学費を稼いでいる。そうゲームで語られていた。
(確かロシュが話していたわ。昨年までは学園で働いて、学費を稼いでたって。来期が始まるまではあと一月だから、つまりここはゲーム開始の一月前の世界ね!)
ロシュのおかげで謎が一つ解けた。まだまだ謎は多いけれど。
「ところで貴女は? 校長先生からは新しく学食で働く人を雇ったとしか聞かされていないので、名前を教えてもらえると嬉しいです」
「やっぱりここで働くのね、私……」
確かにリシャールは一度も『生徒として』とは言っていない。けれど、だからといって、どうして学食(ここ)を選んだ?
(なんで!? こういうのって普通生徒じゃないの!? 『十七歳』『密偵』『学園』とくれば普通生徒でしょう!?)
カルミアは参考までに前世で嗜んだあらゆるマンガ、アニメ、小説知識をひっくり返していた。
確かにこの制服らしきものも着心地は良く、見た目も気に入っている。
アレクシーネ王立魔法学園の制服を称えるのなら、それは高貴な美しさ。そしてカルミアの来ている服について感想を答えるのなら、純粋な可愛らしさだろう。
(けれどいくら頑張っても米がパスタになれないように、メイド服は制服にはなれないわ!)
どうでもいいことを考えてしまうのは現実から逃げたいからだ。
けれど動揺するカルミアを放って、ロシュは自己紹介を始めた。
「こんにちは! 僕はロシュって言います。わからないことがあったら何でも聞いて下さいね」
(すでに聞きたいことがいっぱいよ……)
どうして私は学食にいるの?
ここで働くって何?
どうして攻略対象の一人である貴方が学食で働いているの?
「あの、どうして貴方がここに?」
「どうしてって、ここで働いてるから? 僕、学園のいろんなところで働かせてもらっているんです。お昼の時間は学食担当なんですよ。たくさんお金を稼いで来年こそはこの学校に入ることが夢なんです! 将来は立派な魔法使いを目指してるんで」
(そ、そうだった………不意打ちで登場されたから失念していたけど、ロシュはそういう設定だったわね)
アレクシーネの学費は決して高くはないのだが、ロシュは両親に迷惑をかけまいと自ら学費を稼いでいる。そうゲームで語られていた。
(確かロシュが話していたわ。昨年までは学園で働いて、学費を稼いでたって。来期が始まるまではあと一月だから、つまりここはゲーム開始の一月前の世界ね!)
ロシュのおかげで謎が一つ解けた。まだまだ謎は多いけれど。
「ところで貴女は? 校長先生からは新しく学食で働く人を雇ったとしか聞かされていないので、名前を教えてもらえると嬉しいです」
「やっぱりここで働くのね、私……」