ドローナは必死に頭を下げるカルミアを見つめている。精霊とは根本的に人間を見捨てられないものなのだ。
だから必死に食らいつく。かつてカルミアの先祖がそうであったように諦めなかった。
「……そんなに言うのなら、一度だけよ。いつまでもつきまとわれたら面倒。その一度で諦めて」
「ではとびきりのメニューを用意しておきますね」
「言うじゃない。そういうところはまあ、嫌いじゃないわ」
真っ赤な唇をつり上げるドローナはカルミアに期待を寄せ初めていた。
翌日、ドローナは律儀に学食を訪ねてくれた。
しかし何を頼めばいいかわからないと言うドローナに、カルミアは本日の日替わりプレートを勧めた。
料理が出来上がるとドローナはまじまじと皿を眺めてから、静かに食べ始める。
そしてい特に顔色を変えることもなく食べ終わりる頃、カルミアは再びドローナの元を訪れた。
「望み通り食べてあげたわ。これで満足?」
「もう少しだけ付き合ってもらえますか? 今日は特別にデザートも用意しているんです!」
「デザート?」
不思議そうにするドローナは、やはりデザートという文化を知らないようだ。
「食後に食べるお菓子や果物のことですよ。デザートの提供はまだ行ってはいないのですが、今日はなんと試作品があります!」
それもドローナのために特別なトッピングを施したものだ。
「なんだっていうのよ」
ドローナは疲れた調子ではあるが最後まで付き合ってくれるらしい。
けれどそれが目の前に置かれた瞬間、明らかに様子が変わる。
「綺麗……」
無意識のうちに零れていたのは感動の言葉だった。
ガラスの器にはカラメルソースと黄色の対比が美しいプリンが乗せられている。プリンの上には白いクリームを絞り、さくらんぼを飾った。その周りには色とりどりのフルーツを敷き詰め、華やかな一皿を演出している。
「なんなの、これ」
だから必死に食らいつく。かつてカルミアの先祖がそうであったように諦めなかった。
「……そんなに言うのなら、一度だけよ。いつまでもつきまとわれたら面倒。その一度で諦めて」
「ではとびきりのメニューを用意しておきますね」
「言うじゃない。そういうところはまあ、嫌いじゃないわ」
真っ赤な唇をつり上げるドローナはカルミアに期待を寄せ初めていた。
翌日、ドローナは律儀に学食を訪ねてくれた。
しかし何を頼めばいいかわからないと言うドローナに、カルミアは本日の日替わりプレートを勧めた。
料理が出来上がるとドローナはまじまじと皿を眺めてから、静かに食べ始める。
そしてい特に顔色を変えることもなく食べ終わりる頃、カルミアは再びドローナの元を訪れた。
「望み通り食べてあげたわ。これで満足?」
「もう少しだけ付き合ってもらえますか? 今日は特別にデザートも用意しているんです!」
「デザート?」
不思議そうにするドローナは、やはりデザートという文化を知らないようだ。
「食後に食べるお菓子や果物のことですよ。デザートの提供はまだ行ってはいないのですが、今日はなんと試作品があります!」
それもドローナのために特別なトッピングを施したものだ。
「なんだっていうのよ」
ドローナは疲れた調子ではあるが最後まで付き合ってくれるらしい。
けれどそれが目の前に置かれた瞬間、明らかに様子が変わる。
「綺麗……」
無意識のうちに零れていたのは感動の言葉だった。
ガラスの器にはカラメルソースと黄色の対比が美しいプリンが乗せられている。プリンの上には白いクリームを絞り、さくらんぼを飾った。その周りには色とりどりのフルーツを敷き詰め、華やかな一皿を演出している。
「なんなの、これ」