みんなが憧れている。あの、絵本の中のお姫様に。
いつか私もあんなキラキラなお洋服をきて輝きたいなぁ。小さい頃にそんな夢を抱えていた。

そして、何があっても最後は王子様が来て私を助けてくれるのだ。



ー早く私をむかえにきてー



「あんた、本当どんくさw」
「かっわいそぉ」


ああ、早く終われ。一日が早く終わって欲しい。私は雪代 椿|《ゆきしろつばき》

高校2年生だ。私の家は貧乏であんなキラキラの女の子のように可愛いメイクもできないし、文房具だって中学生からずっと使っているものだ。

そんなダサい私はいじめられている。それはしょうがないのかもしれないとさえ思っている。



ああ、私はもう無理かもしれない。小さい頃に夢を見たあの絵本のお姫様はどんな事があっても笑顔でいた。
でも、今の私はどうだろう。心だけはいつでもお姫様でいたいと思ってたのに。



「ごめんね、お父さん、お母さん。」
私は屋上から飛び降りた。