廊下に出て、口々に言いだす。


「なぁ、おい。どうするよ」

「俺もわかんねーよ」

「口についてるよって言うか?」

「誰が言うんだよ」

「泣いちゃうんじゃねーの」

「女子の扱い方なんて分かんねー」


あの子に嫌われたくないのは
みんな同じだ。


どちらかというと、モテたい。


「あ、いいんちょーに頼むか!」

「そうだな。俺らの委員長っ!」

「ま、待ちたまえっ!君たち」


慌てふためく委員長。
「私だって、女子の扱い方分からんのだぞ?!」


ここは本当に男子校出身ばかりだな…



眼鏡をくいっと上げて委員長は言った。

「よし。じゃんけんで決めよう」

「はぁ!?男気ねーな」

「私だって嫌われたくないのだよ。
ここは公平に行こうじゃないか」



ぶつぶつ言いながら、
一斉にじゃんけんをする。


「「じゃーんけーん、ぽんっ!」」



みんなグーで僕だけパーだった。

いち抜けだ。

とりあえず、僕は言わなくてすむ。

良かった…




「じゃあ。決まりだな」

「あぁ、よろしく」


は?



一番の敗者をまだ決めてないのに、
みんな教室に帰っていく。


「待って、待って、待って!?」


委員長の方を掴む。

「いやいや、僕、勝ったんだけど」

「あぁ!よろしくな」

「いや、そうじゃないよね」


委員長は僕の手を払って言った。


「私は負けた者が彼女に言うとは、
一言も言っていないが?」



まじかよ。



僕はクラスの奴らは信じないと思った。