自分の実家のインターフォンをなかなか鳴らせないでいる聡志を見て
「こんばんは、由夏です。こちらの不肖の息子さん、お連れしました。」
と代わりに挨拶すると
「お前・・・。」
と私を睨んで来る。
「だって、おじさんとおばさんが、そう言ってるんだから、しょうがないでしょ。」
と澄ました顔で言ってやると、ムスッとした顔で黙る。
そして、約半年ぶりの親子の対面。玄関で仁王立ちするおじさんとおばさんの前に立った聡志。どうするのかと思って見てたら
「あの・・・由夏になんとか許してもらいました。反省してますんで、その・・・出来たらまた、息子にして貰えませんか?」
と言って、殊勝な顔で頭を下げるから、おじさん達と3人で吹き出してしまった。
でも、表情を改めたおじさんに
「由夏ちゃんは、それで本当にいいのかい?」
と聞かれたから、私は躊躇うことなく
「はい。」
と返事をする。
「そうか、なら私達にはもう何も言うことはない。」
おじさんは、そう言うと、ホッとしたように笑顔になった。
それから、今度は4人で私の家へ。聡志だけではなく、おじさんとおばさんまでが頭を下げてくれて、さすがに申し訳ないと思っていると
「聡志、娘に悲しい思いだけはさせないでくれ。私達は由夏が悲しんでる姿だけは見たくないんだ。頼むぞ。」
小学生時代の野球チームで、指導して以来、聡志のことも呼び捨てのお父さんの言葉に
「はい、お約束します。」
そう言って、聡志はまた深々と頭を下げた。
ここで空気は一変。セレモニーは終わったとばかりに、笑顔で招き入れるウチの両親に応えて、塚原のおじさんとおばさんが嬉しそうに、家に上がりこんだのは、私達を2人きりにしてやろうという親心だけだったと信じたい・・・。
翌日、久しぶりのデート。考えてみたら、3月のオープン戦のあと、食事して以来だ。
聡志が仙台に帰らなきゃいけないから、横浜を2人でぶらつくくらいしか出来なかったけど、お互いにお互いが自分の隣に帰って来たことを確かめ合えた、幸せな、そして大切な時間だった。
少し早めの夕食を済ませて、聡志を新横浜まで送って行く。
「由夏、ありがとうな。」
「うん、こちらこそ。」
「明日から、また練習して、来月の頭には戻るから。」
「うん。」
「それで・・・1つだけ許して欲しいことがある。」
「なに?」
「長谷川と・・・連絡を取りたいんだ。」
言い辛そうにそう言う聡志。
「話を聞いて貰えるかはわからない。多分無理だと思う。でも1度、ちゃんと連絡したいんだ。いいか?」
「いいよ。」
私は即答した。聡志が彼女に連絡したい理由はちゃんとわかってるし、私もそうすべきだと思ってるから。
「ありがとう。あと、帰って来たら、由夏に聞いて欲しいことがある。」
その言葉に、私はハッと聡志を見た。
「その時は・・・よろしくな。」
「はい。」
思わず、殊勝な返事をしちゃってた。
「こんばんは、由夏です。こちらの不肖の息子さん、お連れしました。」
と代わりに挨拶すると
「お前・・・。」
と私を睨んで来る。
「だって、おじさんとおばさんが、そう言ってるんだから、しょうがないでしょ。」
と澄ました顔で言ってやると、ムスッとした顔で黙る。
そして、約半年ぶりの親子の対面。玄関で仁王立ちするおじさんとおばさんの前に立った聡志。どうするのかと思って見てたら
「あの・・・由夏になんとか許してもらいました。反省してますんで、その・・・出来たらまた、息子にして貰えませんか?」
と言って、殊勝な顔で頭を下げるから、おじさん達と3人で吹き出してしまった。
でも、表情を改めたおじさんに
「由夏ちゃんは、それで本当にいいのかい?」
と聞かれたから、私は躊躇うことなく
「はい。」
と返事をする。
「そうか、なら私達にはもう何も言うことはない。」
おじさんは、そう言うと、ホッとしたように笑顔になった。
それから、今度は4人で私の家へ。聡志だけではなく、おじさんとおばさんまでが頭を下げてくれて、さすがに申し訳ないと思っていると
「聡志、娘に悲しい思いだけはさせないでくれ。私達は由夏が悲しんでる姿だけは見たくないんだ。頼むぞ。」
小学生時代の野球チームで、指導して以来、聡志のことも呼び捨てのお父さんの言葉に
「はい、お約束します。」
そう言って、聡志はまた深々と頭を下げた。
ここで空気は一変。セレモニーは終わったとばかりに、笑顔で招き入れるウチの両親に応えて、塚原のおじさんとおばさんが嬉しそうに、家に上がりこんだのは、私達を2人きりにしてやろうという親心だけだったと信じたい・・・。
翌日、久しぶりのデート。考えてみたら、3月のオープン戦のあと、食事して以来だ。
聡志が仙台に帰らなきゃいけないから、横浜を2人でぶらつくくらいしか出来なかったけど、お互いにお互いが自分の隣に帰って来たことを確かめ合えた、幸せな、そして大切な時間だった。
少し早めの夕食を済ませて、聡志を新横浜まで送って行く。
「由夏、ありがとうな。」
「うん、こちらこそ。」
「明日から、また練習して、来月の頭には戻るから。」
「うん。」
「それで・・・1つだけ許して欲しいことがある。」
「なに?」
「長谷川と・・・連絡を取りたいんだ。」
言い辛そうにそう言う聡志。
「話を聞いて貰えるかはわからない。多分無理だと思う。でも1度、ちゃんと連絡したいんだ。いいか?」
「いいよ。」
私は即答した。聡志が彼女に連絡したい理由はちゃんとわかってるし、私もそうすべきだと思ってるから。
「ありがとう。あと、帰って来たら、由夏に聞いて欲しいことがある。」
その言葉に、私はハッと聡志を見た。
「その時は・・・よろしくな。」
「はい。」
思わず、殊勝な返事をしちゃってた。