私が、仙台のプラットフォームに立ったのは、今日中に神奈川に帰り着く為の最終新幹線の時間ギリギリになってしまった。
「そうだ、最後に文句言っとく。」
見送りに来てくれた聡志が、そんなことを言い出すから
「なに?」
と尋ねると
「お前、自分の気持ちがあやふやになったからって、人を一緒にすんじゃねぇよ。」
と、結構重めのお小言。
「言っとくけど、俺はあれっきり、長谷川とはただの1度も連絡とってねぇからな。」
「はい、ごめんなさい。」
と素直に頭を下げるしかない。
「でも。」
と表情を固くした聡志は
「今回のことは、俺が長谷川のことで、由夏を傷つけたのが、大きな原因の1つだよな、きっと。」
と言う。
「聡志・・・。」
「ごめんな。あの時の『遠恋で隠し事し始めたら、崩壊の一歩』という由夏の言葉、もう1度、お互いに心に刻もうぜ。」
「うん。」
お互いの目を見て、私達は頷き合った。そして、アナウンスが列車の到着を告げる。
「気を付けてな。」
「うん。」
「明日は、ちゃんと会社に行くんだぞ。」
「大丈夫、わかってるって。あと半年、悔いのないように頑張るから。」
「ああ。俺も明日からまた、気合い入れて行くから。」
「うん、ケガだけはしないようにね。」
「ありがとう。」
新幹線の扉が開く。
「今度は正月だな。」
「うん、待ってて。」
そして私は列車に乗り込んだ。
「おやすみ。」
「おやすみ・・・由夏。あと、ちょっと早いけど、メリークリスマス。」
なにそれ、いくらなんでも早過ぎ・・・吹き出しそうなのを堪えていると扉が閉まる。すぐに列車が動き出す、私達は笑顔を交わし合うけど、それはあっと言う間に見えなくなってしまう。
でも私は幸せだった。ちゃんと笑顔を交わし合えたんだもの。よかった、本当によかった。これで明日から、また頑張れる。
(さようなら、またね。)
私は遠ざかる仙台の街の灯りと聡志に、そう心の中で、呟いていた。
「そうだ、最後に文句言っとく。」
見送りに来てくれた聡志が、そんなことを言い出すから
「なに?」
と尋ねると
「お前、自分の気持ちがあやふやになったからって、人を一緒にすんじゃねぇよ。」
と、結構重めのお小言。
「言っとくけど、俺はあれっきり、長谷川とはただの1度も連絡とってねぇからな。」
「はい、ごめんなさい。」
と素直に頭を下げるしかない。
「でも。」
と表情を固くした聡志は
「今回のことは、俺が長谷川のことで、由夏を傷つけたのが、大きな原因の1つだよな、きっと。」
と言う。
「聡志・・・。」
「ごめんな。あの時の『遠恋で隠し事し始めたら、崩壊の一歩』という由夏の言葉、もう1度、お互いに心に刻もうぜ。」
「うん。」
お互いの目を見て、私達は頷き合った。そして、アナウンスが列車の到着を告げる。
「気を付けてな。」
「うん。」
「明日は、ちゃんと会社に行くんだぞ。」
「大丈夫、わかってるって。あと半年、悔いのないように頑張るから。」
「ああ。俺も明日からまた、気合い入れて行くから。」
「うん、ケガだけはしないようにね。」
「ありがとう。」
新幹線の扉が開く。
「今度は正月だな。」
「うん、待ってて。」
そして私は列車に乗り込んだ。
「おやすみ。」
「おやすみ・・・由夏。あと、ちょっと早いけど、メリークリスマス。」
なにそれ、いくらなんでも早過ぎ・・・吹き出しそうなのを堪えていると扉が閉まる。すぐに列車が動き出す、私達は笑顔を交わし合うけど、それはあっと言う間に見えなくなってしまう。
でも私は幸せだった。ちゃんと笑顔を交わし合えたんだもの。よかった、本当によかった。これで明日から、また頑張れる。
(さようなら、またね。)
私は遠ざかる仙台の街の灯りと聡志に、そう心の中で、呟いていた。