私は、これまでは大ファンの松本先輩のいるG党だったんだけど、当然E党に転向。テレビのスポーツニュースやネットの検索は、Eというか聡志のことオンリーになった。


ドラフト3位入団だけど、異色の二刀流ルーキーとして、聡志への注目度は高く、報道量は予想以上に多かった。私は大事な卒業試験そっちのけで、あいつの記事を探しては、読みふけった。


テレビでインタビューなんかされて、真面目くさって答えてる姿を見ると、なんとも可笑しかった。


1月中旬から始まった新人合同自主トレは、怪我もなく、順調にメニューをこなしていたけど、月末に一旦帰って来て、特別処置で、卒業試験を2日間でまとめて受けると、そのまま今度はキャンプ地の沖縄県の島へ。


帰って来た時は、ちょうど私も試験で、会うことは出来なかったけど、この頃までは、練習が終わった夜には、電話もLINEもだいたい繋がったし、沖縄に向かう前には


『お土産、よろしくね。』


『おぅ、任せとけ。』


なんて、呑気なLINEを交わしていた。


ところが、2月1日。キャンプインと同時に、様子が一変した。


1年目から、バリバリ活躍した松本先輩のような例外もいるけど、一般的には高卒選手が将来性を買われて入団したのに対して、大卒や社会人チームから入団した選手は即戦力として期待される。


聡志はドラ1の選手と共に、一軍といわれる、いわゆるメジャークラスのキャンプのメンバーに名を連ねた。


私なんかは、無邪気に


(聡志、凄いじゃん。)


なんて思ってたし、実際に電話でもそう本人に伝えたんだけど、ね・・・。