「聡志は、長谷川さんがあなたに近付いて来た理由が懐かしいからだけだったと思ってる?」
「わかんねぇ。だけど安易に長谷川に近付くのはマズいとは思ったから、会うことは出来ないって言った。だけど、菅沼さん紹介するって言ったら、喜んでたし、実際に付き合い始めたんだから、俺の考え過ぎだったかなって・・・。」
そう答えた俺に
「聡志。今日長谷川さんは、間違いなく私に会いに球場に来たんだよ。」
と言い切る由夏。
「由夏・・・。」
驚く俺に
「今日、球場に長谷川さんが来てたの、知ってた?」
とまた尋ねて来る由夏。
「いや。」
「そうだよね。彼女が球場来てたの、知ってたら、もう少し焦って帰って来るよね。私に彼女とのことを隠そうとしてたんだから。」
「・・・。」
「長谷川さんは、私には聡志の応援に来たって、ハッキリ言った。だけど、実際には、試合後にあなたに会いもしないで帰った。今までの彼女だったら考えられる?」
「今までは、球場に来た時には、必ず出口で待っててくれて、話をしたよ。」
俺のその言葉に、得心がいったというように、由夏は頷いた。
「ということは、長谷川さんは、今、自分が聡志と連絡を取り合っていることを私に知らせる為に、わざわざ球場に来たってことにならない?」
「でも、なんで・・・?」
「こうやって、私達に揉めて欲しかったからでしょ?」
そう言って、冷ややかに俺を見る由夏に、言葉を失う。
「今すぐ電話して。」
「えっ?」
「由夏が嫌がってるから、もう君と連絡を取るのは止めるって。」
その由夏の言葉に、一瞬唖然としたけど
「わかった。」
すぐに俺は頷いて、携帯を手に取った。
長谷川との話は、簡単に終わった。由夏に言われた通りの言葉を告げると
『ごめんなさい。私はそんなつもりじゃなかったけど、岩武さんにしてみたら、いい気持ちしないよね。わかりました、今までありがとうございました。菅沼さんとのこと、感謝してます。これからも、塚原くんのこと、クラスメイト、Eファンとして応援してます。あと、岩武さんに、よく謝っておいてね。』
その長谷川の言葉で、通話は終わった。スピーカーフォンにしておいたから、その言葉を、直接聞いていた由夏は、でも表情を変えることなく、俺を見た。
「今日は晩ごはん、抜きだから。」
「えっ?」
「昨日も言ったけど、私、浮気とか不倫とかする奴、大嫌いだから。そんな奴の為に、夕飯なんか作れないし。」
「ちょっと待ってくれよ。俺はそんなつもりは絶対に・・・。」
「他の女と、コソコソ連絡取り合ってる時点で、全然信用出来ないし。」
「・・・。」
あっさり決め付けられて、二の句が告げなくなる俺。
「お腹空いたなら、コンビニ弁当でも買って来なよ。どうせ普段は、いつもそうなんだしょ?あと、当然夜も無しだからね。無理矢理変なことして来たら、許さないから。」
そう言って、俺をひと睨みすると、そのまま部屋に入って行ってしまった。
「わかんねぇ。だけど安易に長谷川に近付くのはマズいとは思ったから、会うことは出来ないって言った。だけど、菅沼さん紹介するって言ったら、喜んでたし、実際に付き合い始めたんだから、俺の考え過ぎだったかなって・・・。」
そう答えた俺に
「聡志。今日長谷川さんは、間違いなく私に会いに球場に来たんだよ。」
と言い切る由夏。
「由夏・・・。」
驚く俺に
「今日、球場に長谷川さんが来てたの、知ってた?」
とまた尋ねて来る由夏。
「いや。」
「そうだよね。彼女が球場来てたの、知ってたら、もう少し焦って帰って来るよね。私に彼女とのことを隠そうとしてたんだから。」
「・・・。」
「長谷川さんは、私には聡志の応援に来たって、ハッキリ言った。だけど、実際には、試合後にあなたに会いもしないで帰った。今までの彼女だったら考えられる?」
「今までは、球場に来た時には、必ず出口で待っててくれて、話をしたよ。」
俺のその言葉に、得心がいったというように、由夏は頷いた。
「ということは、長谷川さんは、今、自分が聡志と連絡を取り合っていることを私に知らせる為に、わざわざ球場に来たってことにならない?」
「でも、なんで・・・?」
「こうやって、私達に揉めて欲しかったからでしょ?」
そう言って、冷ややかに俺を見る由夏に、言葉を失う。
「今すぐ電話して。」
「えっ?」
「由夏が嫌がってるから、もう君と連絡を取るのは止めるって。」
その由夏の言葉に、一瞬唖然としたけど
「わかった。」
すぐに俺は頷いて、携帯を手に取った。
長谷川との話は、簡単に終わった。由夏に言われた通りの言葉を告げると
『ごめんなさい。私はそんなつもりじゃなかったけど、岩武さんにしてみたら、いい気持ちしないよね。わかりました、今までありがとうございました。菅沼さんとのこと、感謝してます。これからも、塚原くんのこと、クラスメイト、Eファンとして応援してます。あと、岩武さんに、よく謝っておいてね。』
その長谷川の言葉で、通話は終わった。スピーカーフォンにしておいたから、その言葉を、直接聞いていた由夏は、でも表情を変えることなく、俺を見た。
「今日は晩ごはん、抜きだから。」
「えっ?」
「昨日も言ったけど、私、浮気とか不倫とかする奴、大嫌いだから。そんな奴の為に、夕飯なんか作れないし。」
「ちょっと待ってくれよ。俺はそんなつもりは絶対に・・・。」
「他の女と、コソコソ連絡取り合ってる時点で、全然信用出来ないし。」
「・・・。」
あっさり決め付けられて、二の句が告げなくなる俺。
「お腹空いたなら、コンビニ弁当でも買って来なよ。どうせ普段は、いつもそうなんだしょ?あと、当然夜も無しだからね。無理矢理変なことして来たら、許さないから。」
そう言って、俺をひと睨みすると、そのまま部屋に入って行ってしまった。