それから披露宴はつつがなく終了。引き続いて行われた二次会は、先輩の父親繋がりのオッサン達や親族が消え、代わりに俺の高校の同期生、後輩達、更には先輩や水木の大学時代の友人達などが参入して、一気に若者の集いと化し、大きな盛り上がりとなった。


俺も久々に会った高校の同期の連中ととにかく語らい、そして呑んだ。普段は少し壁がある先輩達とも、かなり打ち解けて本音をぶつけ合ったりしたし、水木側ゲストの女性陣ともちょっと仲良くなったりもした。


あっ、俺は愛しの彼女が睨んで・・・いや優しく微笑みながら、牽制して来たから、もっぱら彼女なしの連中との、取り持ち役に徹してましたが・・・。


とにかく楽しくて、朝まで呑みたいくらいだったが、まぁそうも行かず、名残惜しさと、近々の再会を誓って、由夏と桜井と帰宅の途に付いたのは、もう終電ギリギリの時間だった。


「お前のスピーチ、良かったな。」


なんて言葉を発したのは、桜井も下車して、由夏と2人になった後だった。


「本当?みんなも結構、誉めてくれたんだけど、聡志は何にも言ってくれないから、ちょっと心配だった。」


「仕方ねぇだろ。今日は、ほとんど話す機会なかったじゃねぇか。」


「そうだよね。1日一緒にいたのにね。」


なんて言いながら、笑い合う。


「でも、結構緊張してたんだよ。聡志の顔見て、一所懸命落ち着こうとしてた。」


「おっ、役に立ったか?」


「うん。それに急遽、少し内容変えたし。」


「そうなんだ、どの辺?」


「幼なじみのくだり。自分のことを、なんか無理矢理入れ込んだようで、どうかなと思ったんだけど、聡志を・・・怒らせちゃったからさ。」


「俺を?」


「松本先輩に久々に会って、ドキドキしちゃったの、聡志にバレちゃったから・・・ゴメンね。」


そう言って、少し目を伏せる由夏。なんだ、あのこと、気にしてたのか。ま、俺もちょっとムッとしちゃったからな。


「今更だけどさ、聡志と松本先輩は私の中では、全く別の存在だからね。」


「どういうふうに?」


「だから・・・松本先輩は、憧れというか、アイドルというか・・・要するに私は、先輩のファンなんだよ。でも聡志は、私の彼氏、愛する人。全然違うんだから、誤解しないでよ。」


「フーン。」


「えっ、なんでそんなに冷たい返事なの?ちょっと勘弁してよ。」


と慌てる由夏を見て、俺は思わず吹き出した。


「バ〜カ、冗談だよ。要するに、旦那がいるのに、ジャニタレや韓流スターにのぼせてるおばさまみたいなもんなんだろ?わかってるよ。」


とからかい気味に言ってやると


「なに、その例え?なんかムカつくんですけど。」


とむくれてやがるから


「わかった。わかったから、機嫌直せよ。」


と言って、頭ポンポンしてやったら


「バ、バカ。意地悪。」


と上目遣いで言って来る。顔が赤いのは、酔っ払ってるからじゃないよな。ホントに可愛いやっちゃ。