「岩武由夏様より、御祝辞を賜りたく存じます。」
司会の言葉に、俺は思わず身構えた。
「いよいよ岩武さんだぞ。」
「ああ。」
横の沖田の言葉に頷くと、俺は緊張した面持ちでマイクに向かうあいつを、不安な気持ちで見つめる。
「あの子が、ツカちゃんの彼女か。」
「なかなか可愛いじゃねぇか。」
自分達の出番が終わって、気楽になった久保さんと佐藤さんが、そんなことを言って来る。
今日は、松本さん達だけでなく、その上の先輩達とも同卓。沖田以外の同期と後輩達は、みんな二次会からで、俺達は1番下。楽しいながらも、気の休まらない時間を過ごして来たが、ここに来て、緊張はピークに。
(由夏、しっかりやれよ。)
結構緊張しぃのあいつを知ってるだけに、心配になって来る。
果たして、硬い表情のまま、マイクの前に立った由夏は、一礼すると、意外としっかりした声で、話し始めた。
「悠、それに白鳥先輩、今日はおめでとうございます。ご親族の皆様におかれましても、本日はおめでとうございます。」
そう言って、由夏は壇上の2人に改めて目をやった。
「私は高校に入ってすぐ、悠と知り合い、仲良くなりました。以来、今日まで、親友として過ごして来ました。たぶん、いえ、間違いなく、これからもずっと付き合って行ける大親友だと思っています。」
その由夏の言葉に、水木が大きく頷いているのが見える。
「とにかく、趣味嗜好がピッタリ合った私達ですが、そんな中で、私達を1番強く結びつけてくれたのが、野球でした。と言っても私達は、マネージャーでもなんでもなく、ただのギャラリー。悠は白鳥先輩を、私は・・・先程スピーチをされた松本先輩に憧れて、熱心にグラウンドに足を運びました。」
全くそうだったよな。本当に飽きもせず、毎日・・・とまではいわないけど、週の半分は、お前達はグラウンドに来てたよな。
確かに松本さんと俺とじゃ、月となんとかだとは自覚はしてたけど、それでもたまには、昔のよしみで、たまには俺の方も見てくれよなんて、拗ねてたのは、恥ずかしくも懐かしい思い出だ。
「白鳥先輩や松本先輩達の一挙手一投足を見つめて、一所懸命に声援を送って、そんな女子が当時、いっぱいいました。そして、私達はそんな女子の中の1人に過ぎませんでした。」
司会の言葉に、俺は思わず身構えた。
「いよいよ岩武さんだぞ。」
「ああ。」
横の沖田の言葉に頷くと、俺は緊張した面持ちでマイクに向かうあいつを、不安な気持ちで見つめる。
「あの子が、ツカちゃんの彼女か。」
「なかなか可愛いじゃねぇか。」
自分達の出番が終わって、気楽になった久保さんと佐藤さんが、そんなことを言って来る。
今日は、松本さん達だけでなく、その上の先輩達とも同卓。沖田以外の同期と後輩達は、みんな二次会からで、俺達は1番下。楽しいながらも、気の休まらない時間を過ごして来たが、ここに来て、緊張はピークに。
(由夏、しっかりやれよ。)
結構緊張しぃのあいつを知ってるだけに、心配になって来る。
果たして、硬い表情のまま、マイクの前に立った由夏は、一礼すると、意外としっかりした声で、話し始めた。
「悠、それに白鳥先輩、今日はおめでとうございます。ご親族の皆様におかれましても、本日はおめでとうございます。」
そう言って、由夏は壇上の2人に改めて目をやった。
「私は高校に入ってすぐ、悠と知り合い、仲良くなりました。以来、今日まで、親友として過ごして来ました。たぶん、いえ、間違いなく、これからもずっと付き合って行ける大親友だと思っています。」
その由夏の言葉に、水木が大きく頷いているのが見える。
「とにかく、趣味嗜好がピッタリ合った私達ですが、そんな中で、私達を1番強く結びつけてくれたのが、野球でした。と言っても私達は、マネージャーでもなんでもなく、ただのギャラリー。悠は白鳥先輩を、私は・・・先程スピーチをされた松本先輩に憧れて、熱心にグラウンドに足を運びました。」
全くそうだったよな。本当に飽きもせず、毎日・・・とまではいわないけど、週の半分は、お前達はグラウンドに来てたよな。
確かに松本さんと俺とじゃ、月となんとかだとは自覚はしてたけど、それでもたまには、昔のよしみで、たまには俺の方も見てくれよなんて、拗ねてたのは、恥ずかしくも懐かしい思い出だ。
「白鳥先輩や松本先輩達の一挙手一投足を見つめて、一所懸命に声援を送って、そんな女子が当時、いっぱいいました。そして、私達はそんな女子の中の1人に過ぎませんでした。」