社長が




「萌さん
樹を奪ってすまなかった
だけど後悔はしていない
この10年俺は幸せだった…
ずっと樹の側にいられたから
でも樹は君の幸せをいつも願っていた
君の好きなカサブランカを飾り
ビターチョコレートを食べていたよ
でも樹の側にいられるならそんな事
平気だった」





社長は泣き崩れた





樹が




「萌…こいつを許して欲しい
俺も最初はこいつを恨んだ
萌と桃李と引き離されて…その上こんな
身体になった…
死にたかった…こいつを殺したかった
でも…でも…それすら許されない
動かす事の出来ない身体
萌に会いに行く事も出来ず…
だから諦めた
でも萌の事を忘れたくなくて…
カサブランカを飾ってもらい、ビターチョコレートを買ってきてもらってた」






「樹…私の事忘れないでいてくれて
ありがとう」





「桃李をこんなに立派に育ててくれて
ありがとう
晃一さん
どうか萌をよろしくお願いします」





「樹⁇
晃一さんには婚約者の方がいるの
だから私は違うの」




「そうなんですか⁇
てっきり萌と…」




「いいえ!婚約者なんていません
俺には萌しかいません
樹さんの分まで幸せにします」






「晃一さん…」






晃一さんは私の肩を抱いた





「私でいいの⁇
貴方は社長になる人なのに…
私だと不釣り合いです」




「そんな事ない
俺が初めて惚れた人だ
俺の目は確かだ!」





「晃一さん…」




「樹さんだって萌の事惚れたんだよ
それって萌がいい女って事だよ」




「でも社長が…」




「親父には伝えてあるから
心配いらない」




「俺の側にいてくれるよな⁇」



「はい」




こんな所でプロポーズ⁇




恥ずかしい///