「私が樹の幼馴染って事は言ったよね」




私はうなづいた




「私は樹が好きだった…好きになっては
いけないと人とわかっていた
ただずっと樹の側にいたかった
だけど樹は政略結婚をした
辛かったよ
諦めようとした
ずっと幼馴染でいようと…
そんな私の気持ちを桃子さんが知ったんだ
その事を樹に言うと脅されていた
樹には知られたくなかった
桃子さんは私の兄と付き合っていた
出会える様にセッティングして欲しいと
私は兄と桃子さんが会える様に
いつもセッティングしていた
樹は桃子さんの様子がおかしいと思い
調べ始めた
そして浮気を知ったんだ
だけど樹の家は跡取りが欲しかった
その後は君に話をした通りだ
桃子さんは離婚後兄と結婚した
樹は桃李くんを引き取り育てた
私も友人として協力した
私は樹の側にいる事が幸せだった
だけど樹は好きな人が出来たと嬉しそうに
教えてくれた
それが君だった
結婚するって聞いて狂いそうだったよ
だからあの日樹にサプライズを
持ちかけた
結婚式会場に行かせないつもりで…
忘れ物があると言って帰ったはずだ」




「はい だから桃李と二人で会場に
行きました
それから彼は失踪したんです
それは社長が仕組んだ事だったんですね
ひどい…
樹を奪ってその上私達の赤ちゃんまで
奪って…
返して下さい二人を…」




私は泣き叫んだ




「萌!」





晃一さんが私を抱きしめた