それから1か月晃一さんは来なかった



夜、桃李が



「萌…今日さあ
変な人に声をかけられたんだ」



「変な人⁇」



「うん」



「どんな人⁇」



「黒いスーツを着た人
学校を出たら、車から降りて
大倉桃李くん⁇って聞かれた」



「なんて答えたの⁇」



「はい!そうですって」



「……」




「萌⁇」



「で⁇その人は⁇」



「そうですかって言って車に乗った
なっ!変な人だろう⁇」



「萌⁇聞いてる⁇」



「うん」



私は怖くなった



「桃李…絶対ついて言ったらダメだからね」



「当たり前だろう
子どもじゃあるまいし」



桃李は笑っていたが…恐怖でしかなかった



桃李が取られてしまう