「それは…
私山口コーポレーションのご子息と
お付き合いしてました
でもそれを知ったのは最近でした
社長…いや彼のお父様から聞きました
彼は私の上司でした
お付き合いしてからも何も聞かされず…
社長から息子は婚約者もいるから
別れて欲しいと会社も辞めて欲しい
と言われ彼が出張に行っている間に実家
に帰りました
桃李とも色々あり、別々で暮らしていましたが、桃李の希望もあり
また一緒に生活しています」



「そうなんですか…なんて皮肉な運命
なんだ…
樹の元奥さんはその山口コーポレーションの娘なんです」



「えっ!」



「山口の娘は樹と政略結婚だった
樹の家は財閥で山口コーポレーションは
その傘下にいたんだ
山口コーポレーションが経営の危機を
迎えてどうしても倒産を防ぐ為に
山口の娘が嫁に行ったんだ
なんとか会社は立て直したが…
樹の家は跡取りが欲しかった
しかし二人に愛はなかった
子どもが出来ないのはおかしいと言われ
病院にも行かせたらしい
出来るはずないよな
夫婦生活がなかったから…
彼女には好きな人がいた
そして目を盗んで会っていたんだ
樹もそれは知っていた」



「知っていて浮気を許してたんですか⁇」



「跡取りが出来たら別れる約束をして
黙認していた」



「そうだったんですか…」



「そしてあの子が出来た
約束通り離婚した
だが樹の両親は山口の娘を調べていたんだ
だからあの子は浮気相手の子どもだと
樹は自分の子どもと言い張ったが…
認めてもらえなかった
だから家を出てあの子を育てんだ
そんな時君と出会ったんだよ」