落ち着いたら急に恥ずかしくなった



身体を離し



「すみません 」



と謝った



「俺 お前がいつか少しでも俺の気持ち
に答えてくれる日が来るまで待つよ
無理にとは言わない」



「部長…」



「俺 お前に一目惚れしてたかも…
こんな事言うのもおかしいけど…
俺から女性を好きになった事がなかった
俺に近づくのは俺の容姿とか…
俺自身を見てくれる女はいなかった…
最初に挨拶した時、ほとんどの奴が俺を
見てた
けど…お前だけ俺を見なかった
その後もお前は媚を売らなかった
だから余計気になった
俺の事を見ないから腹が立ち始めた
どうしたらお前は俺を見てくれるのか
最初は意地だった…
でもどんどんお前の存在が俺の中で
大きくなっていったんだ
黒川があの時お前に男がいるって
言ってたから
あの時の若い奴だと思って大沢に聞いたよ
お前に男がいると思ったら
気が狂いそうだったから
お前の隣は俺の場所だって…勝手に…
でもお前の子どもって聞いて安心したよ」



「部長…」



「昨日お前が残業してたから声をかけよう
と思ったが…嫌われてるから諦めた
だから俺が好きなビターチョコレートを
置いた
本当なら甘いチョコレートだろうけど
俺甘いチョコレート苦手なんだ…
だから持っていたのがあの
ビターチョコレートだったんだ…
でもお前にまた嫌な思いをさせて
しまった…すまない…」



「……」



「待ってていいかな⁇
もう強引な事はしない」



部長は…本気で私の事を…



「ありがとうございます
そのお気持ちだけで…
こんな話初めてしました」



「大沢には⁇」



「はい 桃李の事は知ってますが…
詳しい話はしてません
部長には話が出来ました
お話聞いて頂いてありがとうございました」



「大倉話してくれてありがとう」



「すみません
私これで帰りますね」



「あ〜送るよ」



「大丈夫です」



「じゃあ下まで」



「はい」



マンションの下まで送ってくれた



まさか桃李が見ていたなんて…