~♪

その時、莉緒の携帯が鳴った。
「はい」
莉緒は定時で仕事を終えてきている。もしかしたら仕事の電話も知れないと、相手も確かめずに電話に出たのは、緊張していて冷静でなかったからもしれない。
『俺だ。お疲れ』

どうしてこの人は、こういうタイミングで連絡をよこすのだろうか。

そんなことを考えながら冷静を装って返事をする。
「お疲れ様です。部長。」と。

電話の相手は和哉だった。

『・・・どうした?』
「すみません。定時で上がらせていただいてしまって。」
和哉は定時で上がった自分のことを言っているのだろうと思い、莉緒が言葉をかえす。