和哉に褒められて莉緒が照れる。
「ここに俺と一緒にまわる店も加えられるんだな。」
「もちろんです」
「そっか。」
「はい」
和哉は手帳から莉緒に視線を移した。

「じゃあどんどん増やそう」
「え?」
「一緒に回った店だらけになるように、どんどん行かないとな。リサーチ。」
「・・・はい」
「デートもな」
「え?」
話を聞き返す莉緒を置いて和哉は、すたすたと店の中に入って行った。

『俺は好きだよ?お前のこと。だから、お前がもう一度俺と恋してくれるように、俺は頑張る。』
夕べの言葉を思いだして、莉緒は頬が熱くなった。
「ほら、行くぞ」
ちらりとみると同じように頬を赤くしている和哉が店の扉を開けて待っていてくれた。
「はい」
何とか表情をつくり、莉緒は店に続いて入って行った。