莉緒の頭には最寄り駅に関しての情報は一通り入っている。
「さすがだな」
「ありがとうございます。」
そんな会話をしているうちに、駅に着いた。
和哉は莉緒よりも少し前を歩く。あたりを見て、いろいろとすでにリサーチを始めているらしい。
「えーやっぱり混んでるな」
「そうですね」
ホームはかなり混雑していた。

「今日行く雑貨店は全国規模の店で、最近オリジナル商品が売り上げを伸ばしてるらしい。今後のコンサルティングに使えそうなものがないかもリサーチしてくる予定だ。」
「はい。私も気になっていました。」
「だろ?市橋ならわかってくれると思った。」
電車を待つ時間も、和哉と話しているとあっという間だった。

電車がホームに入ると、一気に人が動き始める。
その流れにのまれないように、和哉がとっさに莉緒の肩を自分の方に引き寄せた。

和哉に触れられたところがやけに熱い。