仕事に来れば、昨日の高辻とのことを忘れられる。
莉緒はさっそく、机の上の仕事と向き合い始めた。

「市橋」
「はい」
和哉に呼ばれて莉緒は部長席に向かった。
「この資料、具体的な客層のグラフものせて」
「はい」
「それからこのレストランの内装、この前みたいに塗料のミスないようにもう一度業者に確認しておいて」
「はい」
「あと、今日一軒新規の雑貨店のマーケティングリサーチしたいんだけど、同行してくれるか。」
「了解しました。」
「15時くらいに、きりのいいところで声かけて。」
「はい」
和哉は部下としても莉緒を評価している。
莉緒は和哉から、資料を受け取り、自分の席に戻った。