しばらく抱きしめあっていた二人。莉緒が一度家に帰って、身支度を整える時間の余裕があるうちに、和哉は莉緒を家に送って行った。

莉緒の部屋の前。
和哉は車から降りて、莉緒の前に立った。

そして莉緒の頭に手を置いて、莉緒の顔を覗き込む。
「無理すんなよ。いつでも俺を呼べ。待ってるから。連絡。」

和哉の言葉に、莉緒は心から自然と微笑んだ。
「ありがとうございます。」
莉緒は和哉に頭を下げてから、自分の部屋に戻った。


部屋に入り、携帯電話の画面を見ると、そこには高辻からのメールや着信がたくさんきていた。

ちゃんと最後にしないとならない。
莉緒はそう心に決めた時も、頭に浮かんだのは和哉の顔だった。