次に目を開けると間近に和哉の顔があった。

莉緒の方を見つめながら微笑んでいる。

莉緒は一瞬夢ではないかと思った。

その光景がまぶしすぎる。



高辻と付き合っている時、朝を待たずにいつも先に高辻は帰ってしまった。
それは自分との関係が会社にばれるのを防ぐためかと莉緒は思っていた。
でも違う。

今思えば高辻には帰る場所があったからだ・・・。


「朝からまた、思いつめた顔してんな」
そう言って和哉が莉緒の髪を撫でた。