「だから」
「・・・」
目を閉じたまま話を聞いている莉緒。
「俺がお前が我慢してる分、いっぱいお前を甘やかす。」
「え?」
その言葉に思わず莉緒は目を開けた。

体をはなして和哉の方を見ようとすると、和哉はぎゅっと莉緒の体をもう一度抱き寄せて、自分からはなれないようにした。

「お前、仕事もそうだけど、いつも頑張りすぎなんだよ。だから、お前が自分自身に厳しく我慢ばっかりさせる分、俺はお前を甘やかす。」
「どういう意味ですか?」
笑いながら和哉の言葉に返す莉緒。
「お前のことだから、もう恋はしないとか、相手の家族を想って罪悪感で自分のこと今も責めてんだろ?」
「・・・」
図星だ。