あたりが少し明るくなってきたころ。
莉緒は目を覚ました。

温かいぬくもりに包まれて目を覚ますと、自分が和哉に抱きしめられたままソファで眠っていたことに気が付いた。

あまりワインはのんでいない。
でもほんの少しお酒の力を借りただけで、不思議と和哉には誰にも言えなかった高辻との話ができた。

この人ならば大丈夫。

なぜかそう確信を持てていた莉緒は、誰にも打ち明けたことのなかった話を和哉にした。

和哉は頷きながら、時々ワインに口をつけながら莉緒の話を聞いてくれた。
ただただ話を聞いてくれた。
時々莉緒が涙で話に詰まると、和哉は莉緒の背中を大きく熱い手でさすってくれる。

そしてすべて話終えた莉緒に和哉はやっと口を開いた。