♪〜♪〜
朝を告げる目覚ましが部屋中に鳴り響く。
「もう朝かぁ、、」
私、高橋 柚子は寝起きは良い方で朝はすんなりと抵抗なく起きられる。
時刻は5時半。女子高生の朝にしては早いと思うかもしれなけど、朝は準備に忙しいのだ。
毎日5時半に起きるのは結構辛いけど、今日は良い夢を見たから機嫌がいい。
「♪〜♪〜」
私は鼻歌まじりに準備を始めた。
6時40分頃になると、下から私を呼ぶ声が聞こえる。
「柚子〜起きてる?」
母である。どうやら朝食ができたようだ。
私はリビングに行き、しっかりと朝食をとって、最後の準備を始める。
そして7時30分。
「行ってきまーす!」
母に見送られ、家を出る。
それと同時に、隣の家から「行ってきます」と少し低めだが、爽やかな声が聞こえる。
私は内心、今日も時間ピッタリだな、と思いながらその声の主のところに駆けていく。
「拓磨!おはよう〜!」
「おはよう、柚子。今日もタイミング一緒だったな。」
笑顔でそう言ったのは、津川 拓磨といって私の幼なじみである。
生まれる前から家同士の仲が良く、同時期に私たちが生まれたことから、ずっと私の隣にいる。
私は生まれた時から一緒にいた拓磨のことが本当に大好きだ。
これが恋かと言われると少し違う気がするが、それ以上に大切な存在だと思っている。
毎日同じ時間に家を出て、学校へ行く。
もちろん学校でも、帰るときも。
私は拓磨の隣にいれることがとても幸せだった。
そして、これからもずっと拓磨と一緒にいられるんだと思ってた。
ずっと隣にいられる、、、って。
でも、、
幸せは唐突に終わりを告げようとしていた