「え?……私、別にすーちゃんのこと…」

「うん。つむぎは自覚してなかったけど
つむぎは昴が好きだったよ」



「ずっと見てたから解る」



「『アイドルみたいに可愛くて
物腰の柔らかい男の子』」



「小、中のつむぎの『好き』の基盤(きばん)になってたのは」



「昴だったから」




こーくんは切なそうに笑いながら
独白するように言葉を重ねていく



「だから、悔しくて
もっと俺を見て欲しくて
俺は昴の真似をして」



「昴はあんな風に言ったけど
憧れてたのは、羨ましかったのは
俺だって一緒」



「俺に無いものを昴は持っていて」



「つむぎに好きを向けて貰える昴が羨ましかった」




「俺が欲しいのはずっと
つむぎだけだったから」