「ちなみにつむぎちゃん
あんな風に絡まれるの何回目?」


ぎくり


「……。え、えーと…」


帰り道

不意にこーくんが昼間の事を蒸し返す


言葉に詰まって、苦笑いを返せば
こーくんはため息をついて
それからぽつりと私に謝った


「ごめん。
結構牽制してたつもりなんだけど」

「こーくんが謝ることじゃないよ
…と言うか……牽制って?」

「やっぱり伝わらない人には伝わらないな」

「こーくん、牽制って?」

「…」

「こーくん、その笑顔は一体…」

「まあまあ」


詳細を聞こうにも
きらっきらのまばゆい笑顔で無言を貫くこーくん

どうやら、どうあっても口を割る気はないみたい



…。



……もしかして、こーくんも
私が知らないところで色々動いてくれてたのかな


………守って、くれてたのかな


多分そうだ
あれだけ人気者のこーくんだ


じゃなきゃ、嫌がらせとか呼び出しとか
もっとあったはずだもん