心配させるのが嫌で
こーくんには言ってない


毎回ひとりでなんとかしてきたし


良くない顔をされることはあっても
呼び出されたりとか
嫌がらせされたりとか
最近はそういう事自体なくなってきたから



「す、すーちゃんは?
付き合ってる人とか、好きな人とかいないの?」


固まるすーちゃんを前に
なんとなく恥ずかしくなってしまって

それをごまかすように慌てて聞き返す



すーちゃんは
その問いかけにぴくっと小さく反応して



「……俺は……」



ぼんやりと私を見つめながら口を開く



その時



「!」



つんっと何かに足を引っ掻けて
体が前のめりになる



「わ、わわっ…!」


「つむぎ!」