「いつもひとりで帰るのか?」

「ううん。こーくんと一緒に帰ってる」



今日はこーくんはお家の用事で先に帰ったから、久しぶりにひとりの帰り道だった



「………こーくんって………倖?
あいつもあの学校に通ってんの?」

「うん」

「……ふーん」



…………あれ…


こーくんの名前を出した途端
すーちゃんの雰囲気が少し暗くなる



…………こーくんと、同じような反応……



「……すーちゃんとこーくんって仲悪い?」



こーくんには聞きづらかった質問

すーちゃんには聞いてみる



「……仲悪いっていうか、ただ俺が……」

「俺が?」

「…」


ちらりと私に視線を向けて
一度、目を伏せてから


「秘密」


すーちゃんはさっきまでの暗い表情を打ち消すように、にぱっと笑った


「えぇ?」

「別に嫌いとかじゃないから」