「こーくん、待ってるから急がないと」


スマホをしまって、少し歩く速度を上げる

曲がり角を曲がろうとして


「!」


そこからふっと現れた人影


反応が遅れて

どんっと、ぶつかってしまって

その反動で私は床に尻餅をついてしまう


「……いたた」

「!悪いっ、気付かなかったっ」

「こっちこそ、ごめんなさい」

「立てる?」


曲がり角の先から現れたその人は
ぶつかって転んでしまった私に
慌てた様子で手を伸ばしてくれて


「ありがとうございます」


お礼を言いながらその手を取って、顔をあげれば


申し訳なさそうな表情を浮かべる可愛らしい男の子


色白で顔も身体もほっそりしてて

目が大きくてきらきらしてる

髪の毛も細くてふわふわしてて柔らかそう


……わぁ……かわいい……


女の子顔負けな可愛らしい容姿

思わずまじまじとその顔を見つめてしまう


だけど、ふと


………
…………あれ……?


……この子の顔……どこかで……