「お待たせ、つむぎちゃん」


小さく頷いた私に
ミキちゃんが笑顔を返す

それと同時に、こーくんが教室の入口から顔を覗かせた


「がんばれ」

「……うん。ありがとう、ミキちゃん」








「…」



……着いちゃった…


いつ言おういつ言おうって悩んでる間に
あっという間に家に着いてしまって


「じゃあ、また明日ね」

「……こーくん」


去っていこうとするこーくん

制服の裾を引っ張って慌てて引き留める



「ん?」

「…………あのね」

「うん。なに?」

「…………ぎゅって、……して欲しい……」



……。



「……いいの?」

「……すこし……さみしく、なって……」


こくりと頷いて小さく付け足せば
こーくんは目を瞬かせて

でも

真っ赤になりながらも
私が言葉通り寂しそうに呟いたからか


「……」


慰めるようによしよしと頭を撫でると
そのままぎゅっと私を抱き締めた