「……つむぎちゃん。何かあった?」

「え?」

「なんか元気ない」

「そんなことないよ」


帰り道、並んで歩いていると
ずっと黙ってたこーくんが不安そうに聞いてきた


「…怒ってる?べたべたしたこと」

「こーくんは私が怒ってるように見える?」

「怒ってる…よりかは悩んでるように見える」

「…」



……やっぱりこーくんは私をよく見てる

普通にしてるつもりだったけどなぁ…



心配そうに揺れる表情を前に、私は苦笑い



それから



「……こーくん」

「ん?」

「私…」

「うん」


立ち止まってじっとこーくんを見上げる


「……こーくんは、私でいいの?」

「…それ、どういう意味?」

「私、こーくんみたいにできない」

「できないって何が?」

「……キスとか、ハグとか…」


少し言い辛そうに呟いた言葉にこーくんは目を丸くして