蓮くんが連れていってくれたのは、プラネタリウムだった。

「ほら来て」

手を繋がれて、驚いてしまった。

「誰かに見られたら……」

「大丈夫、暗いから見えないって」

そうかな?



「あの星知ってる。カシオペア座でしょ?」

「蓮くん、よく知ってるね」

「まあね。
俺の実家にもこんな星が広がってたし」

蓮くんは切なそうな顔をしていた。

「蓮くんって田舎生まれなの?」

「うん、俺と歩が住んでた町はすごい田舎で幼稚園から中学まで持ち上がりだった」

確かにここじゃあ、あり得ないよね。

「俺の母さんと歩の母さんがアイドル好きで、俺たちをオーディションに出させたんだ。
そしたら合格しちゃって、皆と別れることになった」

もう、蓮くんの顔は見れなかった。

「…そんなんならアイドル辞めてやるって何度も思ったよ。
でも、楽しかったんだよな。
メンバーの皆と一緒にいるの」

確かに『rainbow』のメンバーは本当に仲がいい。

業界でも有名な話だし、この間来たときもそう思った。

「皆がいるから俺は頑張れるんだよな」

「…ステージの蓮くんはすごく輝いてるよ。
だから、もっと自信持って」

蓮くんは目を見開いた。

「ごめん、景斗…」

何か呟いたと思うと、蓮くんの唇が重なっていた。