「景斗、くん?」

二葉は不思議そうに俺を見た。

「どうしてここに…?」

「こっちのセリフ」

「あ、そっか…。わたしは最後のお参りに来たの。でも、これで最後だからっ。ごめんね」

二葉は逃げるように森を抜けていった。

そんなに俺が嫌なのかよ。

まあ、当たり前か。

冷たく突き放したのは俺だしな。

「……何期待してたんだよ」

いつもみたいに景斗くんって飛び付いてくるのを期待してたんだ。

もう、そんなこと起きないのに。