俺はお守りをポケットに入れると、リビングに戻った。

まあ、このぐらいにして墓参りに行かないとな。

レッスンの時間もあるから、急がないと。


お墓は高台にあった。

そこまで行くには坂を上がって、森を抜けなきゃなんない。

なんでこんな分かりにくいとこにあんだよ。

お墓に行くと、なぜか二葉がいた。

なんで居るんだよ。

俺は反射的に隠れてしまった。

「…景斗くんのお母さん、お父さん。ごめんなさい。わたし、約束守れなかった」

何言ってんだ!

俺が破ったんだよ!

「わたしのこと、嫌いになっちゃったって…。ごめんなさい。景斗くんを幸せにするって誓ったのに出来なくて。ごめんなさい……」

二葉の目から涙が溢れ落ちた。

俺のせいでまた泣かせてる。

「だから、景斗くんを見守っていて下さい。わたしも陰で景斗くんを応援し続けますから!これからもよろしくお願いします」

てか、お墓に話す人初めて見たかも。

今さら面白くなってきて、笑いそうになった。

我慢我慢……。

さっきの光景が浮かんでくる。

「……ぷっはははは!!」

やべぇ、声出しちまった!!